オルカトレーニングラボ

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伊藤透のブログ

カラダの使い方を知ることで、フィットネスが変わることもある。

2019.7.9

ようやく落ち着きつつあるので、カラダの使い方(主に股関節周辺筋群)を教えてあげることでフィットネスの変化が起きることもあります、という面白いデータを開示したいと思います。

 

クライアントデータ

6月より、以下のクライアントを指導させていただく事になった方のデータになります。

・10代後半の男性 ( 164cm / 48kg )
・ロードレースで成績を収めたい
・1週間のトレーニング時間は平均10-12時間 / 1週間

 

トレーニングを開始する直近のフィットネスデータが以下の状態になります。

現状の生活環境などを考えて、パーソナルトレーニングを月2回実施するパーソナル会員(Type0.5)にて指導を開始させていただくことになり、6月中は以下の方法でトレーニングを進めていきました。

 

・平日1回はスタジオにて筋トレ指導
・エンデュランスプログラムの処方

 

学生ということもあり、文武両道を目指す彼。トレーニング時間をあまり変えることはできなさそうなので、休息日にしている月曜日に週に1度、ストレングストレーニングの中でカラダの使い方を教えていこうと考え、今までのスタイルの中で以下のトレーニングを導入し始めました。

 

◆スクワット
◆リバースランジ
◆ルーマニアンデッドリフト
◆グッドモーニング
◆スクワットジャンプ
◆ライイングレッグカール
→ストレングストレーニング種目はこちら

 

ストレングストレーニング初心者ということもあり、自体重エクササイズから始めながら徐々に負荷を加えていきながら、大臀筋やハムストリングなど下半身の筋群の使用方法、力の発揮方法を伝えていきました。

 

そうして1ヶ月間トレーニングを指導した後のフィットネスの変化は、以下の通りです。

時間 5sec 1min 5min 20min
指導前 830w 383w 266w 220w
指導後 933w 433w 281w 220w
数値差 + 103w + 50 w + 15 w + 0 w
向上率 +11.24% + 11.30% + 5.63% + 0%

 

TIPなどが変化しているのではないかと思われるので、指導前の5月、指導後の6月のTIPなど、まとめたものを載せておきます。


※運動時間に10時間ほど差がありますが、L1の割合が増え、その他の領域におけるグラフのバランスが崩れていることはそんなにありません。その為、距離にして120kmほど、TSSで170TSSほどの変化となっております。

 

このように、カラダの動かし方を改善し、筋肉の使い方や力の発揮方法を知ることでパフォーマンスが向上するケースもあります。もし、トレーニングで伸び悩んでいる方は、自身のカラダの使い方に関しても見直してみるといいかもしれません。

 

興味のある方は、是非とも体験しに来てくださいね(グループ、パーソナル会員の募集を開始しました)。

 

BMIついて 

指導を開始し始めた際の体重が軽すぎると、国内トップまたは海外のロードレースで不利になることがある為、今後ストレングストレーニングに取り組みながら筋肉量を増やしていこうと話をしていきました。

 

実際どれぐらい体重が軽いのかというとBMIが17.84と比較的少なめ(BMIの標準は18.5 – 25の間といわれています)。
※ちなみに、BMIの算出方法は体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)になります。

 

PWRが高くても絶対値が低い場合( Low weight / High PWR )では、ヒルクライムのみを考えればポジティブな結果をもたらすことが考えられますが、ロードレースで考えた場合に同じPWRでも絶対値が高い選手たちと走行する厳しい戦いを強いられることが多い為、体重および絶対的出力の向上を増やすことを提案しました。※5minのPWRが同じ5.5倍でも70kgの5.5倍だと100wも差が出る。

 

具体的に言えば、BMIで言えば20.5-22 ( 55 – 59kg ) を目指すという内容です。

 

こう言うと”体重を増やすなんて簡単じゃん“と思われるかもしれませんが、この場合はただの脂肪ではなく、筋肉量を増やす必要があります。実は体脂肪を減らすことよりも、筋肉量を増やすことの方が難しいです。

特に、持久的スポーツを継続しながら筋肉量を増やしていきつつ、もちろんパワーも向上させていかないといけないとなるととても大変です。ましてや、彼の場合は現状から更に”筋肉量で約5kg“、持久的能力を落とすことなく増やす必要があるわけです(むしろ持久力をあげる必要すらある)。

 

正直、とても大変でしょう。想像を絶するほど大変だと思います。

 

が、そこが運動指導者である私の腕の見せ所。エンデュランストレーニングとストレングストレーニングに合わせて、食事管理などうまくコントロールしながら、彼が目指すべき世界へリードしていこうと思います。このブログの続きは、またいつか。読者の方も、本人も、お楽しみに。

 

お読みいただき、ありがとうございました。