
● セミナー内容
コンカレントトレーニング入門セミナー(オンライン)
※ 2021年8月22日 (日)10:00-13:00
● セミナー実施者
河森直紀 博士
※プロフィールはこちら
● セミナー受講者
伊藤 透
● 受講理由
1. 普段から持久系アスリートに対して、エンデュランストレーニングにストレングストレーニングを掛け合わせたプログラムデザインを提供している、自身の指導内容が適切かどうかを確認をしたかった。
2. 自身が把握しているコンカレントトレーニングと、河森博士が把握(指導)しているコンカレントトレーニングの一致点・類似点・相違点を確認し、新たなる発見を得たいと思った。
● 受講後
1. に関して
現在個人がクライアントに提供している指導内容および方針は間違っていなさそうだと感じた。こちらは引き続き、クライアントの生活リズムを考慮した上で、必要であれば各自の目的目標に合わせた最適なプログラムデザイン(コンカレントトレーニング)を提供する予定。
2.に関して
コンカレントトレーニング最大の課題”干渉作用をできるだけ抑える”ということに対する工夫(10個)として、河森博士が考えていることとほぼ同じであった。抜けていた部分として、”運動様式” と “部位を重複させない” ということ。これに関しては、個人が指導する種目(自転車競技:ロードレース)から考えると、持久系トレーニング=練習でもあるため、何もなければ運動様式を変えることはないと思うが、クロストレーニングなどで別の取り組みを加えるのも面白いかもしれないと考えつつ、その際に部位を重複させないという工夫が採用されるのかなと考えられる。
※ トライアスロンの場合は、この “運動様式” と “部位を重複させない”は結構重要だと考える。
3. その他
・論文の著者のバックボーンから、論文の癖を読み解くのは面白いと感じたので、今度から自身も論文を読む際は、その著者のバックボーンを深く知りたいと考えた。
・Acute + Chronic Hypothesis の内側をキレイに整理されていて、シンプルに考えがまとまった。
・自転車競技におけるHIITとMICTのワークアウトに関してはかなり熟知している方だと思うので、自転車競技におけるコンカレントトレーニングは問題なさそうだが、陸上競技の長距離種目におけるHIITとMICTのワークアウトの特性をさらに理解して、より多くの持久系アスリートにコンカレントトレーニングを指導できるようにしたいと思った。
● 指導に向けて、より考えること
・持久系アスリートが筋肥大を狙う場合
身長170cm以下でBMI20.5前後以下の自転車選手が、パワーの絶対値向上を目的として除脂肪体重増加+持久的パフォーマンス向上を狙う場合、時期を考慮した上で、筋力トレーニングを優先した上で組み合わせるインターバルトレーニングを考慮する必要がある。また、栄養面も綿密に考えた上で実施する必要があると考えられる。
・中高生にコンカレントトレーニングを実施する場合
身体的成長(主に身長)が著しい選手に対する指導として、コンカレントトレーニングを実施する場合のプログラムデザインの工夫。筋力トレーニングのプログラムデザインの内容を考える必要があると考えられる。また、その際に筋力向上を中心とするか、それとも適切な動作の習得を中心とするかを考えなくてはいけない。
● 学びを深めるために新たに学ぶこと
・筋力トレーニングのプログラムデザイン
クライアントのレベルにもよるが、コンカレントトレーニングを行う際のトレーニングの配列および各曜日:タイミングなどを考える(バリエーション)。
・栄養学
エルゴジェニック的側面の栄養学ではなく、今一度リカバリー的側面の栄養学を深掘りし、可能な限り100%に近い入力を行えるような工夫を増やす。
・分子生物学の深い理解
今回はmTORC1:AMPK+PGC-1α:TSC1/2などが出てきた。ストレス(刺激)により分泌される成分とその役割の理解はある程度しているが、より深い理解が、提供するプログラムの質を高めそうだと感じたので、深く学んでいきたい。