
まず始めに、パワートレーニングをする場合には、指標となる「FTPを測定しよう」とお伝えました。
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自転車(ロードバイク)でパワートレーニングを行う方法 Part.1 FTP測定編
ようやくパワーメーターを手に入れて、これからパワートレーニングを始めようとします。 まず始めに何をしますか? サイクルコンピュータを見ながら走行時のパワーを楽しむのも一つですが、トレーニングとして考えた場合は、まず始めにに自身の
FTPを測定したら、次は「パワー・トレーニング・ゾーン」という目的目標に分けた、7種類の強度に合わせてトレーニングを実施してきます。パワー・トレーニング・ゾーンは以下のようになっています。
…この表だけ見てもわかりにくいですよね。
そこで、心拍数やRPE(主観的運動強度)を別とした、パワーのみの内容をまとめてみました。目的目標別の運動強度と運動時間は以下のようになっています。
[aside type=“normal”]7つのパワー・トレーニング・ゾーン
- L1:Active Recovery
疲労を抜く(FTPの55%以下)
→体の疲れを抜くために30〜90分運動します。
- L2:Endurance
脂肪燃焼や持久力向上(FTPの55〜75%)
→減量や長い時間乗るための体力をつくるようために1〜5時間運動します。
- L3:Tempo
持久力向上(FTPの76〜90%)
→FTPの持続時間を向上させるために1〜3時間運動します。
- L4:FTP
持久力の上限であるFTP向上(FTPの91〜105%)
→TTやエンデューロ、ヒルクライム能力を向上させるために8〜30分間運動します。
- L5:Vo2max
最大酸素摂取量向上(FTPの106〜120%)
→ロードレースやアップダウンに対応する体力をつくるために3〜8分間運動します。
- L6:Anaerobic
無酸素運動能力向上(FTPの121〜150%)
→アタックの掛け合いやロングスプリントを鍛えるために30秒〜2分間運動します。
- L7:Sprint
スプリント能力向上(最大努力)
→スプリント能力を向上させるために0〜30秒運動します。
※( )は指定運動強度になります。[/aside]
なんとなくわかりましたか?
これからパワートレーニングを始める場合、まだわかりにくい部分があると思いますので、よりトレーニングがイメージしやすく、すぐにでも取り組めるように、目的目標別の簡単なトレーニングメニューをお伝えします。
パワー・トレーニング・ゾーンを使用したトレーニングの一例
まず、ヒルクライムやタイムトライアルで「1秒でもタイムを縮めたい」という場合はL4=FTPを伸ばす必要があるため、以下のように組みます。
[aside type=“normal”]ヒルクライムやタイムトライアル向けトレーニング
- 【メニュー】3-4set ×{20分(FTP×0.95-1.05) + 5分(FTP×0.55以下)}
→20分がトレーニング強度、5分が休息となります。 - 【実数値】3-4set ×{20分(285-315w) + 5分(165w以下)}
※FTPを300wとセットした場合です[/aside]
次に、ロードレースやクリテリウムなどで「アタックやコーナーの立ち上がりについていけない」という場合はL6=Anaerobic Capacity(無酸素運動能力向上)を伸ばす必要があるため、以下のように組みます。
[aside type=“normal”]ヒルクライムやタイムトライアル向けトレーニング
- 【メニュー】8-10set ×{1分(FTP×1.21-1.50) + 3分(FTP×0.55以下)}
→1分がトレーニング強度、3分が休息となります。 - 【実数値】8-10set ×{1分(FTP×363-450w) + 3分(165w以下)}
※FTPを300wとセットした場合です[/aside]
ロードレースやクリテリウムなどで「何度もアタックが掛かると、最初は大丈夫だけれど後半に持たない」という人もいると思います。その場合乳酸処理能力の向上などを目指す必要があるため、上記のトレーニングの休息である3分を2分または1分に縮めるなどの工夫しながらトレーニングをする必要があります。
このように、意図を持ってメニューを工夫すれば、メニューの数は無限大になります。皆さんも自身の目的目標に合わせたトレーニングを実施してみてくださいね。
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