オルカトレーニングラボ

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トレーニング

自転車(ロードバイク)のために行う1週間のトレーニングの流れを考えよう。

2017.3.10

フィットネスレベルを高めるためには、継続的にトレーニングをすることが大前提です。もちろん、その時におこなうトレーニングとしては、科学的根拠に基づいた方法で行うのが一番ではありますが、ここで一つ疑問が…

1週間のトレーニングの流れは、どうすればいいの?ということです。一度、考えてみましょう。

例えば、ヒルクライムで少しでもタイムを縮めたいから毎日FTP強度のトレーニングをしてみると、タイムは縮むでしょうか?また、ロードレースやクリテリウムで勝ちたいから毎日HIIT(High Intencity Interval Training/例:タバタ・プロトコルなど)をしてみると、レースで勝てるようになるでしょうか?

答えはNOです。

ヒルクライムのタイムを決める要因は、確かにFTPと関係している部分がありますが、FTPの上限を伸ばすためにはVo2max(最大酸素摂取量)を伸ばす必要もあります。また、ロードレースやクリテリウムで勝ちを狙う場合には、スプリントもできないといけませんし、逃げたりアタックを狙えるような出力を伸ばず必要もあります。

このように、トレーニングは何か1つに集中して続けるだけでは、意外と目的目標を達成できません。今回は、トレーニングがより充実するように、1週間をどのような流れでトレーニングすればいいのかをお伝えしていきます。

トレーニングの1週間の流れ

科学的根拠に則って指導をしていくのがスタンスの私ですが、残念ながらピリオダイゼーション(トレーニング計画)に関する科学的根拠は、世界的に見ても未だ確固たるものは解明されていません。

そのため、このように行えばフィットネスレベルが必ず向上しますよ、と説明することはできないのですが、自身の知識と指導してきた経験を合わせた時に「この流れだと比較的フィットネスレベルが伸びた」という流れがあります。

主に、一般的な社会人アスリートや学生レーサーにオススメしている1週間のトレーニングの流れは以下のとおりになります。※JPT(実業団トップカテゴリー)やUCIレースのような距離を対象としているアスリートは除く。

スクリーンショット 2017-03-10 17.11.22

内容に書いてあるメニューは、イメージしやすいように参考程度で書かせていただきました。簡単にメニューの流れとその意図を説明します。

月曜日と金曜日は休息日にしています。

日曜日にレースがある場合は、トレーニングの疲労を抜くために金曜日または土曜日に体を休めますし、レースの疲労を抜くために月曜日に休むことができます。そのため、レースやイベントがあっても、1週間の流れが極端に崩すことなくできます。

火曜日から木曜日は「ローラーでのトレーニングをイメージしています。

もちろん、実走ができればそれでもかまいませんが、社会人の方は平日に外でトレーニングをするというのも難しいと思うので、そうした環境に合わせて考えています。この3日間は「自身の短所を克服するトレーニング」または「自身の長所を伸ばすトレーニング」を実施するといいでしょう。ただし、偏りが出やすくなるため、それらは4週間ごとに入れ替えながら行うといいでしょう。

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※短所・長所を判断する方法としてこのような方法があります。

土曜日と日曜日は「実走でのトレーニングをイメージしています。

ローラーだけではペダリングやエアロフォーム、ヒルクライムなどの感覚を手に入れるのが難しいので、実走にて「カラダの使い方もトレーニング」します。また、平日よりもトレーニング時間を確保しやすく、誰かと走りに行きやすいため、「集団走行の習得」や、自身だけではかけきることができない「高負荷のトレーニング」を実施できるため、質の高いトレーニングを実施できるでしょう。

[aside type=“normal”]トレーニングの流れ(まとめ)

  • 週に2回、休息日をいれましょう
  • 平日は、自身の長所・短所を理解したトレーニングをしましょう
  • 休日は、一人ではできない練習をしてみましょう[/aside]

冒頭でも述べたように、同じような強度でトレーニングを行っていても、伸び率が低いケースが多いため、全体的にバランス良くトレーニングをすることが大切になります。目的目標に則ったトレーニングのバリエーションを増やしながら、楽しんでトレーニングをしましょう。

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トレーニングの偏り

「キツイと感じるトレーニングを実施していれば速くなれるんでしょ?」と考えている人も多く、HIITを推奨する人もいます。

「長い距離を乗れば速くなれるんでしょ?」と考えている人も多く、土日や休日を利用して一定ペースでロングライドを実施することを推奨する人もいます。

「自転車で健康になりたい、サイクリングを楽しみたい」という目的であるのならば何も言いませんが「ロードレースやクリテリウムで上位を目指したい」とか「ヒルクライムでタイムを縮めたい」という目的であるならば、それらのトレーニングだけでは成長しない可能性が多いということを伝えたいです(学生や社会人アスリートに対して)。

インターネットや周りにいるサイクリストの方から、さまざまな情報を得られる方も多いと思いますが、本当に目的目標を達成したいと考えているのならば、お近くの専門家に伺うのが一番有効だと思います。自転車機材を1つ買うよりも安く、一生の知識として使えるものが多いはずですから、一度聞いてみましょう。