オルカトレーニングラボ

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トレーニングの教科書

#5.0 Training Peaks の使い方 ( PP編 )

2021.8.23

Training Peaks の実用的な使い方について説明していきます。

数あるデータの中から何を見れば良いか悩む方も多いと思いますが、指導者目線から、まず以下の3つを必ず確認する癖をつけることをオススメしています。

✔︎ Performance Management Chart ( PMC )
✔︎ Power Profile ( PP )
✔︎ Time In Power Zones ( TIPZ )

こちらの記事では、Power Profile ( 以降 PP )について説明します。

 

Power Profile とは?

PPとは、各時間帯における最大出力(フィットネス)を表したデータになります。

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こちらの表は

✔︎ (L7)5sec : 神経系のパワー
✔︎ (L6)1min : 無酸素域のパワー
✔︎ (L5)5min : 最大酸素摂取量域のパワー
✔︎ (L4)20min : 有酸素域の持続可能なパワー

のMean Maximal Power ( MMP : 時間帯最大パワー )を可視化でき、自身がどのようなタイプのサイクリストなのかを確認することができます。

 

例えば

✔︎  5secが最も高い場合はスプリントが得意
✔︎ 1minが最も高い場合は1kmなどトラック種目が得意
✔︎ 5minが最も高い場合はアップダウンが得意
✔︎ 20minが最も高い場合はヒルクライムやタイムトライアルが得意

などです。

 

皆さんは、どの領域な一番高いでしょうか?

 

指導経験のお話になりますが、これまでに100名以上のサイクリストおよびトライアスリートのカウンセリング・データ解析をした経験上、パワートレーニングを始めたばかりの方の多くは5minまたは20minが一番高い状態になっていることが多いため”僕はヒルクライムが得意なのか”などと決めてしまう方が多いのですが、その考えは少々違います。※個人的には9割ほどの方がそのパターンです。

 

そうした方の場合、5sec 〜 3minのインターバルトレーニングを定期的に行なっていないことが多く、L6~7領域の刺激が足りていない状態ということが考えらます。※他にもスプリントやダンシングの方法がわからない、なども理由としてあります。

 

3ヶ月ほどの間、各領域をバランスよくトレーニングした後、もう一度見比べてみると”実はスプリントが得意になった”など、MMPが変わっていることもあります。

 

ぜひ、バランスよくトレーニングをしていきましょう。

 

オススメの使用方法

DashboardにPPを二つ並べて”Custom Date”を選択することで、過去の同時期とのフィットネスの比較をすることができます。

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このようにフィットネスの比較を行うことで、適切なトレーニングが実施できていたのか、またシーズン前に狙っているレースに、どれだけ自分が理想に近づいているかを把握することができます。

 

自分が苦手なパフォーマンス(A)を伸ばすことも大切ですが、得意なパフォーマンス(B)も落とさず伸ばせているかどうかも確認しなくてはいけませ。AをやればBが落ちるではなく、AをやってもBが維持できるようにしながらトレーニング計画を立てていきましょう。

 

余談

Training Peaks 上でのPPの指標は、何度も説明しているように5秒 / 1分 / 5分 / 20分という4つのMMPを指標にしていましたが、2019年にイギリスへ足を運んだ際、とあるチームのコーチはPeak Power / 3min / 12min のMMPを指標にして、L7-6ならPeaks Powerから、L5なら3minから、L4以下なら12minからのMMPを指標に運動強度を設定していました(係数は秘密)。

 

不思議に思い、他国のコーチがどのように指導しているのか、イタリア・スペイン、オーストラリアなどのチームから情報収拾してみたところ、似たような指標でトレーニングプログラムを組んでいたのに驚きを覚えました。

 

世界にはいろんなトレーニング方法があるなと感動しつつ、この様なトレーニン方法の違いを

・アメリカ式パワートレーニング = FTP基準
・ヨーロッパ式パワートレーニング = MMP基準

と勝手に1つの仮説を立てました。

 

おそらくこれ以外にも様々なトレーニング方法があると考えらますが、選手または一般のクライアントに対するプログラムの処方としてはこの2つが主な方法になると考えられます。こちらについては、いつかどこかで説明したいと考えています。